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てつるぶろぐ

仮住まいなう

137億光年のヒトミ

44* astronomy 02* biblio

前から書いてたんですが、mainichi@spicaさんとこ発、リヴァイアさん、日々のわざ@川端さん経由でようやく購入に至った西はりま天文台の鳴沢さんによるOSETIなお話。
オンライン書店ビーケーワン:137億光年のヒトミ


OSETIというのはoptical(光学)な地球外知的生命探査:SETI。でいいんですよね?(笑)
SETIはどこかの誰かが電波を発していたら拾えるように主に電波天文で行われるのですが(プエルトリコのアレシボを使ったSETI@homeなんかが有名なように)、光学の方でどこかの誰かが放ったレーザーをおっかけるというのもあるのです。
著者の鳴沢さんは近接連星系の研究をされている方でなんかこう、いかにもOSETI向きな方だなあと(^^;

内容はというと、鳴沢さんの半生と西はりま天文台と口径2mの主望遠鏡である「なゆた」(ほんとにいい名前)の紹介と、OSETIなお話といったところ。子供でも読めるようなノリで書いてありながら、なんかこう、無闇やたらに心躍ります。オモチロイことこの上なく、子供のものにしとくにはあまりにもったいない。

月は地球に一番近い天体だが、なゆたはどれくらい遠くまで見えるかというと、なんと百億光年先の天体ものぞいて見ることができる。本当にかすかな光だったのだが、りゅう座にあるクエーサーとよばれる銀河の一種まで見ることができた。百億年前にこのクエーサーから旅立った光。百億年前というと、地球が生まれるより、ずっとずっと昔のことだ。想像もつかない長い時間。暗黒の宇宙を旅してきた光子が、今日私の瞳に入ってきたのだ。この感動をどう表現したらいいのだろう。
(p. 117)


隣の芝生は何とやらではないですが、天文がずるいなあ*1と思うのは、ロマンやら何やらのために薄っぺらい想像とか作り話とか必要とせずにただ事実だけあればいいこと。百億年かかってやってきた光子が目に飛び込んでくる*2とか反則だよなあとバケ学屋さんは地団駄踏んで憤慨しているのです。他にもファーストライトで飛び込んできた金星の映像を拝む技術屋さんとか、「あんな木星見せたらもう他の望遠鏡の木星みても感動しませんよ!」って掛けこんでくる同僚の人とか、「星なんて見えないよ、電気が光ってるのしか見えない」とこと座一等星のベガを見ながら言う子供とかもう自分の中のなにかのスイッチがカチンとするくらい反則のオンパレード。くそう、いつか行ってやる。



関連図書の紹介。megastarにハマったあなたも是非。

宇宙の果てまで
小平 桂一著
早川書房 (2006.5)
通常2-3日以内に発送します。
こちらはハワイのすばる望遠鏡の建設のお話。


天文台日記
天文台日記
posted with 簡単リンクくん at 2007. 3.29
石田 五郎著
中央公論新社 (2004.1)
通常2-3日以内に発送します。
岡山天体物理学観測所の日常。


あとカール・セーガンはもちろん外せません。「惑星へ」とか「コスモス」とか。




とにかくこの「137億光年のヒトミ」、ゆっくり星見にどっか行こうかな…と思う一冊でした。

*1:博物館実習の時、科学館の50cm反射望遠鏡を眺めながら同期の天文屋さんのたまごに「君らズルいなー、こんなでかいおもちゃ使えて。うちらCCDカメラで頭皮チェックくらいしかできんのに…」ってボヤいたことあるのですが…

*2:なゆたではCCDじゃなくて接眼レンズで観測できる