夜は短し歩けよ乙女
はてさてラムを買ったのには訳がありまして。この本を読んだら無性に飲みたくなってきたのです。
私は太平洋の海水がラムであればよいのにと思うぐらいラムを愛しております。
もちろんラム酒をそのまま一壜、朝の牛乳を飲むように腰に手をあてて飲み干してもよいのですが、そういうささやかな夢は心の宝石箱へしまっておくのが慎みというもの。美しく調和のある人生とは、そうした何気ない慎ましさを抜かしては成り立たぬものであろうと思われます。
(p. 13)
とひとりごちる黒髪の乙女と彼女の後ろ姿に関する世界的権威の"先輩"と天狗の樋口さんと呑んだくれ羽貫さんと謎の李白翁が昼夜の京都を舞台にめくるめく奏でる森見ーワールドにオモチロクしてやられた訳なのです。なむなむ。
あそこならば本当にこの本のようなファンタジックでどこか懐かしい空気が味わえそうで、無性に京都をうろつきたくなる良い小説也。