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てつるぶろぐ

仮住まいなう

2011 東北旅行 その4 アクアマリンふくしま

7/12から15まで、青森・福島を旅行してきました。
普段は時系列でエントリ書くんですが、今回はまず最終日から。なのでいきなり「その4」です。

いやあもう写真多くてすみませんねえ…

7/15(4日目) アクアマリンふくしま−帰宅

今回の旅行の最大の目的、それは、アクアマリンふくしまの営業再開に馳せ参じること。
普段「新装開店」とか「一番列車」とかに全く興味がないのに、なんかどうしても行かなくてはいけない気がして。
地震後に書いたエントリのことや、「いつか」行こうと思っているだけでは、ダメになることがあるとあの地震で学んだのもあるかな。


朝、ホテルで朝御飯を食べて、荷物をまとめ、アクアマリンまで5分ちょっとの道のりを遠足のようにドキドキしながら歩いて行く。
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前日の夜に散歩した時に見た津波の爪あとも、明るい光の下で見るとまた凄惨さがありました。
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何も変わっていないようで、きっと大きく変わった水族館。



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入り口には「がれき座」ができていた。
熱帯魚を飼っていた経験では、アクリルってものすごく丈夫で、傷はついたり歪んだりはしても、割れたりすることまでは想像できないんだけど、こうして実際に破損したアクリルを見ると、剥がれたアスファルトや傾いた電信柱とは別の方向からあの地震の大きさを見せられるようで、戦慄する。


そうこうしているうちに、再開記念式典が始まりました。
オトナの事情な方のご挨拶があり、安部館長のご挨拶があり。
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それを見つめるスタッフさんの背中。

福島県博の館長さん、モントレーベイ水族館の方のご挨拶や、くららの子どもの名前「きぼう」のお披露目があり、ヒヨコの公開がありして、ゆるゆると館内へ。

エントランスで待ち構えるたくさんのテレビカメラ。
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今までと同じだけど、11-07-15と印字されたいつもとは違う入館券を買って、改札をしてもらって中へ。


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みなさん中へ急がれていましたが、ちょっと背筋を伸ばして、立ち止まってご挨拶を読む。
そしてじんわりする。


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館内1階。以前と殆ど一緒で、それが一層胸にぐっとくる。


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進化に興味のある人にはたまらないナメクジウオさん。

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ガーさん。

エスカレーターで3Fに上がって。
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なんだろうって見ていたらボランティアのおじさんがアメフラシの卵だと教えてくれた。
ちょうど近くに成熟個体が居たので語尾にかぶるくらいの勢いで「あっ、じゃあこちらが親ですか?」って聞いたら、それなりにいける口だと認定されたのか「そうそう!」って嬉しそうに笑ってから「でも錦糸卵みたいでしょ」と小さな声でおっちゃん。
「…ここ日当たり良くて暑いですし食べたいですね、素麺」とひそひそ話し合ってお互いニヤリと笑いましたとさ。



その先の海獣コーナーでは…くららー!!
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その先の展示ゾーンでは、過去の展示をもう一度されていました。
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村山嘉昭さんの川ガキパネルも健在。
今この"Fukushima"で「ぜひ、網を持って子どもたちと水辺に出かけてみて下さい。遊びながら自然から学ぶことはたくさんあります。もっと身近な水辺に関心を持って下さい。」という言葉をこの水族館が引き続き発信することは、誠実さや真摯さの最上級の活用法なんだと思う。



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サンゴ礁の海水槽も、生き物は減ったけど。


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潮目の海は魚も少なく、若干の濁りがありました。しかしこの規模のものを4ヶ月でここまでのコンディションにされたスタッフの方の執念を思うと目頭が熱くなります。
また、逆にスカイツリーの工事現場に人が集まっているように、この水族館にもいましか見られない光景があるんじゃないでしょうか。

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北海道で採取されたというエゾメバル


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システム周りは一部エラー出して止まっていましたがこのあたりはご愛嬌。



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大洗水族館からのキアンコウ

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メヒカリのところはいつもよりも暗めの展示。まだ本調子じゃないのかな。


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15日はバックヤードツアーはなしでした。16日から以前とルートは違うものの再開されたようで、くっ、悔しくなんかないんだからね…



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情報コーナーでは、「よみがえれ!私たちの海」と、地震の展示。

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復興ブログや

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各地からの支援の手紙が展示してあって、涙腺をモリモリ刺激。涙腺爆弾。涙の秒読みは数えちゃいけない。


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屋内タッチプールを抜けたところでは、被災後の支援(動物の一時預かりとか提供、人的支援)動物園水族館からのメッセージ。行ったことあるところ、見かけたことのある人からのメッセージ。

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小宮園長なぜアイアイを肩車…

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加茂水族館の館長さん写真が味わい深くて素敵すぎる…!


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そこからアクアマリンえっぐの方へ。


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スカベンジャーの展示ですが、「生まれる・死ぬ」というタイトルが深い。


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大型活魚車かっこいいよ活魚車!


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本当は釣りもしたかったんですがテレビクルーががっちりマークしていた…


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腹いせで蛇の目ビーチへ。

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流されたとばかり思っていたザトウクジラの頭骨もしっかりあった。

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裸足になって、裾を捲って中へ。冷たくて気持よかった。
30前の男が一人で水遊びする後ろでどこかの取材の人がスタッフの方に「放射能は大丈夫なんですか」と聞いている声が聞こえましたがここの人たちは大丈夫じゃなければちゃんと対応するってわかんないのかなーと思った。



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足をすすいでまた館内へ。


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なんだかキレイになった厨房で。(あ、厨房の中の男性はこちらで椅子を塗られていた方っぽい!)

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ちびっこアザラシの名前がついた、きぼうカレーを頂きました。


お腹も満ちたので、館内をまたもう一周。

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井の頭に避難していたオオサンショウウオさん

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熱帯魚を飼っていて、写真を撮るのが好きで、アクアライフという雑誌にはまっていた小学生の時。卒業アルバムの将来の夢に何書こうか色々迷った末に「水槽写真家」と書いた小っ恥ずかしい灰色歴史があるけど、今この水槽の前でなら、あの頃の自分にちょっと胸張って会える気がする、と床に座りこんで写真を撮りながら思った。


地震」や「原発事故」は起こってしまったけれど。現状をなかったことにしてくれるヒーローなんていなくて、個人個人ではどうしようもない規模の災害のそのただ中、そこに「生活」をしている人がいる。「生活」を取り戻そうとしている人がいる。
もちろん生活や生存が第一だから、その前には、水族館だって世の中に必要のないもののひとつに入ってしまう。小説や、音楽や、映画や、写真や、絵画や、詩や、お酒なんかと同様に。
でも。あの地震で、震度5に見舞われたとはいえ、東京の明るい電気の下、暖かい布団で寝ていられた自分に、アクアマリンふくしまライフラインが壊滅して殆どの飼育生物が死滅したというニュースが文字通り痛みを伴ったものだったのも事実です。
何者かに共感したり、想像力を持つこと、世界の拡がりやここではないどこかを意識していること、そういったことは、生きることそのものとは別のところで繋がっているんだと思う。この水族館がInspiring Aquariumをスローガンにしていて、本体と同時にビーチやえっぐの釣りコーナーもあわせて再開したのだってそういうことなんじゃないかな。

だからこそ、アクアマリン以外の他のところも、すぐには無理でもいずれ必要な時に自分の「生活」として遊びに行けたらいいな、と思う。「支援」や「援助」も大事だし必要なのもわかっている。でも、いずれは、いつもの日常として、誰かの日常と自分の日常という、地続きを共感できるように。


この7月15日は、アクアマリンふくしまのゴールでなくスタートの日です。これまでは水族館関係者のみなさんだけでしたが、これからは私たちユーザも一緒の二人三脚が始まります。これからずっとずっと、長い道のりになることでしょう。「お帰り」や「ただいま」や「また宜しく」、「はじめまして」。なんだっていい、ここからまた一緒に生きていきましょう。一緒に生き物を見つめましょう。頻繁には行けませんが、どうぞよろしく。



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スタッフさん、ボランティアさんたちみたいに大したことはできないけれど。笑ったり、写真を撮ったりすることしかできないけれど。
がれきをひとつづつ片付けるように、少しづつでも誰かにこの水族館のことを伝えられたらいいなと思う。



やっぱりここは、世界一の水族館だから。






実際に行かれる方へのご案内

再オープンの翌16日から、バックヤードツアーも再開されたようです*1。また、しばらくは周りの団体も巻き込んで様々なイベントもあります。お近くの方も、そうでない方も。是非一度足を運んでみて、歩きまわって、笑ってから、またそれぞれの日常に戻って欲しいなと思います。

しかし。

道路、特に歩道の状態は悪いままです。また入り口前の大きな道路(臨海の産業道路で大型車の通行も多い)の信号が故障したままのため、横断する時は結構なスピードで走る車を避けて渡らなくてはいけないので、特に小さいお子さん連れの方には公共交通機関で行くにはまだまだ難しいかもしれません。
自家用車をご利用でもくれぐれも事故などにお気をつけ下さいませ。
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どうぞご安全に!


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その他写真一式はこちらです。
http://www.flickr.com/photos/tetzl/sets/72157627088219933/

*1:id:joruriさんとこ参照:http://d.hatena.ne.jp/joruri/20110717/1310866495 ぐぬう、また行かないと…